2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19720017
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
西村 明 Kagoshima University, 法文学部, 准教授 (00381145)
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Keywords | 慰霊 / 巡礼 / 南方戦 / 記憶 / 儀礼 / パフォーマンス / モノ / 宗教学 |
Research Abstract |
本年度は、遺骨収集の実践と情報発信に関わっている元兵士の金谷安夫氏をはじめ、長崎福済寺「万国霊廟長崎観音」や「サイパン法性寺」関係者ヘインタビュー調査を実施し、映像・写真・文字資料等の提供も受けた。また他の研究調査を通して知り合った戦死者の遺族(遺児)より、慰霊巡拝の映像資料の提供を受けることもできた。他方で、東京大学文学部図書館にて、昭和20年代後半における宗教界の遺骨収集等への関わりを示す『中外日報』誌上の記事を収集し、岡山県立図書館、鹿児島県立図書館、茨城県立図書館にて、遺骨収集・慰霊巡拝参加者の手記等の資料を収集した。 また、当課題に関する2本の論文を執筆し、まもなく公表(刊行)予定である。上記の実績のうちのいくつかは、当初の実施計画どおりのものではなく、学会等での成果発表も計画通りには行えなかった。とくに予定していたサイパン・テニアンにおける現地調査については、調査協力者側の事情と研究代表者側の不測の事態のために実施できなかった。しかし、国内資料の把握に重点を移した結果、新たな事実の発見が得られ、当初想定した以上の広がりを持つ成果が期待できると予想している。次年度は収集した資料の整理と成果発表を中心に、可能であれば、新資料の収集にも努めたいと考えている。
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