2008 Fiscal Year Annual Research Report
国際結婚夫婦のコミュニケーション認識と「多言語・多文化共生」に向けての課題
Project/Area Number |
19720120
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
伊藤 孝恵 University of Yamanashi, 留学生センター, 講師 (10348104)
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Keywords | 異文化間コミュニケーション / 夫婦間コミュニケーション / 国際結婚 / 多言語・多文化共生 |
Research Abstract |
本研究は、日本における国際結婚夫婦のコミュニケーションに対する認識の特徴、特に外国人妻の認識の特徴を明らかにしこれに家族社会学の見地を加え、国際結婚夫婦における「多言語共生」「対等で互いの違いを認め合う夫婦間コミュニケーション」を目指すことを目的としている。従来の研究ではあまり明らかにされてこなかった国際結婚夫婦のコミュニーションに対する認識特徴を、日本人同士の夫婦との比較によって浮き彫りにするとともに、日本における国際結婚のうち大半をしめる「夫日本人、妻外国人」夫婦のコミュニケーション上の問題と今後の対応についても示唆したいと考えている。 平成19年度は、聞き取りによる予備調査の結果等から質問紙を完成させた。質問紙の内容は、夫婦のコミュニケーション態度やコミュニケーションから受けた情動・印象に関する質問項目を中心に構成されている。質問紙は、日本語版のほか、英語版、中国語版、韓国語版、ポルトガル語版、スペイン語版、タイ語版を作成し、対象者が回答しやすいよう工夫した。平成20年度は、山梨県を中心にさらに質問紙調査の幅を広げ、地域に散在する国際結婚夫婦並びに日本人同士夫婦から200以上の回答を得た。得られたデータは入力及び集計を行った結果、こちらの意図した夫婦単位での回答ではなく、夫婦のうち夫か妻の片方のみの回答や、欠損値の多い回答なども寄せられたため、分析対象として有効なデータを精査した。今後は、有効データをもとに分析を行い、論文としてまとめる予定である。
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