2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19720183
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小寺 敦 東京大学, 東洋文化研究所, 准教授 (30431828)
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Keywords | 古代史 / 中国出土資料 / 考古学 / 思想史 |
Research Abstract |
本年度は、本科研費によって既に導入した機器を利用し、前年度までの作業を継続しつつ、上海博楚簡研究会に参加しながら、研究活動・資料収集を行った。これは、本研究プロジェクトによる活動でもあるが、その研究成果は、私が研究分担者として参加する、別の科研費プロジェクトとして報告されている。 また本年度の9月に、日本・中国の研究者達と漢文化に関する中国河南省鄭州市の学会に参加し、『詩経』編纂が、宗法制を含む周代社会制度の変遷や漢字知識の受容と深く関係するとの報告を行った。そして学会を総括する総合討論に、日本側代表の1人として加わった。続いて、河南省安陽市の中国文字博物館・安陽殷墟博物館も訪問し、資料調査・収集を行った。同時に安陽工作站も訪れ、責任者の中国社会科学院の唐際根氏から、安陽市郊外で発見された、曹操墓とも比定される遺跡の最新情報を提供していただいた。日本国内では、京都の泉屋博古館等で資料調査・収集を行った。 同月には上海市の復旦大学の研究者による協力を得て、江蘇省常州市の春秋淹城博物館・武進博物館を訪問し、淹城古城を見学するなど、資料調査・収集を行った。この遺跡は、日本の弥生時代の集落との関連が議論されており、中国古代のみならず、日本の都市や国家形成の議論とも関係性をもつものである。 なお、君位継承原理に関する研究史整理については、他の研究活動を優先した結果、現時点においてその専論はないが、他の成果に取り込む形で発表されている。
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Research Products
(1 results)