2007 Fiscal Year Annual Research Report
フランスにおける「移民」イメージの構築過程-礼拝所設置運動を通して-
Project/Area Number |
19720228
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渋谷 努 Tohoku University, 大学院・文学研究科, 専門研究員 (30312523)
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Keywords | 移民 / イスラーム / 労働運動 / 労働組合 |
Research Abstract |
本研究では、北アフリカ出身移民による礼拝所設置運動を分析するため、文献調査として1970年代での新聞(Le Monde, Figaro, Parisien)、雑誌(Nouvelle observatoire, le point)で記載されている礼拝所設置運動に関する記事をまとめ、報道された事件の言説を明らかにした。 また、現地調査を2007年12月11日から12月28日まで、パリ郊外西部ノンテール市内で行った。礼拝設置運動の経緯および具体的な活動内容について資料として、具体的には運動に参加した者(13人)に対して、運動開始のきっかけ、出身地別構成員の変遷についてインタビューを行った。さうに、活動の主要な役割を果たした者に対して、活動方針決定の過程についてインタビューを行った。また、複数の労働組合の支部を訪れ、1980年代の移民と労働組合との関係の聞き取りを行った。 今回の調査で対象とした礼拝所設置運動に関する聞き取り調査によって、フランスに住む北アフリカ出身移民が、フランスの労働組合との交渉及び雇用主との交渉の結果、礼拝所を設置する権利を獲得した過程が明らかとなった。これらの交渉過程を通して、移民とホスト社会との共生を実現するために移民側による積極的な働きの実態が明らかとなった。
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Research Products
(4 results)