2008 Fiscal Year Annual Research Report

義務付け訴訟と取消訴訟の関係:行政と裁判の適切な役割分担を踏まえた解釈論・立法論

Research Project

Project/Area Number	19730021
Research Institution	Kobe University
Principal Investigator	興津征雄 Kobe University, 法学研究科, 准教授 (10403213)
Keywords	公法学 / 行政法 / 行政救済法 / 行政争訟法 / 行政訴訟
Research Abstract	平成20年度の研究は, 大きく分けると以下の4点からなる。 1 フランスにおける行政と司法の関係に関する歴史研究平成19年度に行った学会報告を学会誌に掲載するために、原稿作成の作業を行った。学会における討議を踏まえて, 内容および構成を見直し, また報告後に公表された研究業績も反映させて, 独立した論文として公表するのに値するように体裁を整えた。掲載は決定しており, 原稿はすでに校了したが, 刊行にな至っていない。また, 同様の問題関心から, 仏語文献の書評を執筆し, 公表された。 2 日本における行政訴訟法理論の研究行政訴訟の訴訟物, 判決の効力, 審理判断のあり方, 仮の救済の審理構造, 行政訴訟類型論の意義などについて研究を進めた。仮の救済に関する判例解説を一本脱稿した(校了・未刊行)が, いまだまとまった成果を公表するには至っていない。平成21年度中にはある程度のものを世に問いたいと考えており, 目下そのための作業を進めている。 3 行政不服審査制度の研究行政訴訟と密接な関係を有する行政不服審査法の改正を見据えて論考を執筆し, 脱稿したが, 肝心の法改正がなかなか成立しないので, いまだ出版には至っていない。 4 個別法におけるエンフォースメントの研究独禁法分野における公正取引委員会の決定のエンフォースメントのあり方と, それに対する司法審査の可能性について考察し, 判例評釈を執筆した。