2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730038
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
喜多 康夫 帝京大学, 法学部, 准教授 (80307206)
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Keywords | 国際法 / イギリス外交史 / 国際司法裁判所 |
Research Abstract |
平成22年度においては、コルフ海峡紛争に関する研究を完成することを優先することにした。その理由としては、以下の理由がある。 第1に、従来までの方針でようやくイギリス政府の国際訴訟に関する全体的な傾向が分かったことである。これにより、イギリス政府の国際訴訟活動におけるコルフ海峡紛争の位置づけがようやく分かるようになった。 第2に、平成21年度でも実感したことであるが、じかに資料を読み込むことがいかに重要であることがようやく分かったことである。公文書の写真撮影は確かに重要であるが、それを日本国内で整理するにしても、実際にその公文書の内容を理解しておかなければ、膨大な資料を整理するにしても非常に大変なことが分かった。そのため、公文書などの写真資料は確認程度にとどめるべきであると考えるようになった。 第3に、第2点と関係するが、実際のところ資料を見ながら論文を執筆する方が効率が良いことである。公文書の写真を撮る場合には、印刷をするか、ディスプレイで読むかのどちらかであるが、印刷は非常にインク代が掛かるとともに、煩雑であるし、ディスプレイで読むのはやはり目が疲れて、長時間継続して読むことができないという難点がある。この点、資料を読みながら執筆する方が、はるかに効率的である。 上記の理由から、すでにある程度まで執筆していたコルフ海峡紛争に関する研究がかなりの長さになるために、5つの論文に分割して発表することにした。本年度は紛争発生から安保理決議に至るまでの過程を描いた論文を発表した。次年度以降はまずコルフ海峡紛争に関する研究を完成すべく漸次、論文を発表していき、最終的には書籍として発表したいと考えている。
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