2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730076
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
堤 健智 首都大学東京, 社会科学研究科, 准教授 (20361454)
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Keywords | 非営利 / 法人 / 団体 / 慈善 / 不法行為 / 損害 / 賠償 / 責任制限 |
Research Abstract |
本年度も引き続き、外国法、特にアメリカ法について、非営利団体・法人に関する文献や不法行為一般に関する文献等の収集・分析を行った。文献の収集に関しては、元々相当程度進んでいた判例・裁判例の収集に加え、各種論文集・ケースブック等についても、比較的最近のものも含め、相当程度を収集するに至った。他方で、特にアメリカでの近年の立法に関する資料については、言質での収集が実現できなかった等の事情により、必ずしも充分には収集できておらず、今後の課題として残きれた。とはいえ、これまでに収集できた資料については、若干遅れ気味ではあるものの、一定程度の成果を見ることができたと考えている。 したがって、残る最大の課題は、外国法分析の結果をどのようにして日本法の分析に反映させるのかという点である。こちらについては、団体と個人との間で責任をいかに分担すべきか考察するという本研究の出発点に立ち返り、不法行為の事例にとどまらない総合的分析を加えるべく分析を進めているものの、遺憾ながら、年度内にその成果を公表することはできなかった。従来日本国内においてその存在自体が必ずしも認識されていなかった問題を扱う都合上、当初の想定以上に作業が難航しているのが実情である。残された在外資料の収集・分析等を行いつつ、研究結果の全貌を社会に還元することが、本研究にとっての喫緊の課題であると考えられる。
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