2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730109
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
森 道哉 立命館大学, 公務研究科, 准教授 (40380141)
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Keywords | 環境政治 / 事例研究 / オーラル・ヒストリー |
Research Abstract |
本研究は、「環境政治(Environmental Politics)」という切り口から戦後の日本の政治過程を捉え直すことを目標としている。 今年度は研究の柱を三つ設定した。第1は、過年度までに行ったアスベストをめぐる政治過程の分析との関係において事例研究を追加し、比較の観点から環境政治の理解を深めていくことであった。この点について、公刊には至っていないが、景観法の「特徴」とその政治・行政への影響について分析を進めた。 第2は、報告者の博士論文(2003年提出)以降の環境政治の研究動向をまとめることであった。ただ、オバマ政権下のアメリカ合衆国で急速に広まった「グリーン・ニューディール」の動きは、国際社会のみならず研究成果にも影響を与えてきており、そこまでを射程に収めた整理が必要と判断して今年度は資料の収集と読み込みを継続した。 第3は、オーラル・ヒストリーの手法を実施経験のある産業界関係者だけではなく、環境委員会(国会)や環境部会(自民党)に長期に渡って所属していた国会議員経験者に対して用い、環境政策の決定過程などに関する記録を幅広く蓄積していくことであった。2009年9月の政権交代などの状況の変化を受けて当初想定していたようには進められなかったが、複数の元環境事務次官の協力を得てその試みを維持した。今年度の実施分についてはテープ起こしを終えており、ディスカッションペーパーなどの一定の文章として整理するための準備を行った。
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