2007 Fiscal Year Annual Research Report
現代アメリカの通商政策の特質とその展開過程に関する研究
Project/Area Number |
19730123
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
藤木 剛康 Wakayama University, 経済学部, 准教授 (70283950)
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Keywords | 通商政策 / 対外政作論 / 自由貿易協定 |
Research Abstract |
当初の計画ではアメリカの対中通商政策に関する基礎的調査を中心に進める予定だったが、学会報告や出版の機会を得ることができたため、これに加えてアメリカのFTA政策に関する研究成果の取りまとめも進めることになった。対中通商政策については、2007年9月2日〜10日にワシントンDCに滞在し、資料収集および現地の研究者2名(Claudei Barfield: American Enterprise Institute、Robert Sutter: Georgetown University)に対するヒアリングを行った。現地で新たな資料を入手でき、さらにヒアリングによって今後の研究にとって有益な助言を得ることもできた。また、テーマに関する代表的な研究の整理を進めた。これらの作業は来年度以降のより具体的な分析のための基礎となった。アメリカのFTA政策については、ケース・スタディとしてこれまでに成立したFTAの中で最も激しい議論の対象となった中米自由貿易協定の交渉および批准のプロセスを分析し、学会で報告した。また、G.W.ブッシュ政権のFTA政策に関する包括的な分析も進め、編著のなかの1章「通商政策:貿易促進権限と自由貿易協定」としてまとめた。2度の学会報告では、それぞれ貴重なコメントを得ることができた。この報告はなるべく早く論文の形にまとめて公表する予定である。編著の方は、2008年夏にミネルヴァ書房から『G.W.ブッシュ政権の経済政策:アメリカ保守主義の理念と現実(仮題・河音琢郎氏との共編著)』として刊行予定である。これらの作業によって、まだわが国においてはほとんどまとまった研究の存在しないアメリカのFTA政策に関する分析をまとめることができた。
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