2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730126
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
BO PEILIN Kansai University, 附置研究所, 研究員 (40404024)
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Keywords | 「聯日」論 / 伝統体制(宗藩体制) / 近代外交 / 華夷思想 / 対日観 / 李鴻章 / 日清提携論 / 『朝鮮策略』 |
Research Abstract |
本年度はまず、1860年代後半から1879年の琉球処分にかけての日清間の外交文書、新聞、及び清側要人が残した書簡・日記などの史料の調査に意を注いだ。現存する外交史料と清末の新聞を読み直してその中の「聯日」に関する言説を網羅的に収集し、同時に関連資料の調査収集、それぞれの分析をも並行して行った。国内および台湾・上海での調査を経て、李鴻章や陳欽、王凱泰、沈葆〓、張之洞などの官僚、及び黄遵憲や王韜などの知識人について具体的な解析の作業をすすめつつ、清末時期の「聯日」論にかかわる全体的な見通しを得ることができた。 その成果の一端は、まず「李鴻章初期対日外交中的聯日思想」と題して、第二届傳統中國研究國際學術討論会(2007、上海)で報告を行った。その内容は主に1871年の「日清修好条規」作成過程において李鴻章をはじめとする清朝官僚の「聯日」(日本をつらねる)論を原史料とつき合わせながら検討したものである。もう一つは、1874年の台湾事件を処理するための「北京専約」における日清交渉についての検討であり、「北京専約の締結と清末の「聯日」外交」と題する論文を『アジア文化交流研究』(2008年3月)に公表した。それは北京専約締結に至るまでの清側の思惑を分析しながら、「北京専約」の締結と、1870年代以来李鴻章らの洋務官僚が主流となる清朝の「聯日」外交路線との関連性を指摘したものである。 今年度の研究は政府レベルの論議を中心に進めた、ジャーナリズムの「聯日」論の収集解析はまだ着手したばかりである。そのため、全体としてはなお作業の途上にあるが、研究の全体の枠組と基盤が構築することができた。
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Research Products
(3 results)