2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730180
|
Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
林 宰司 The University of Shiga Prefecture, 環境科学部, 講師 (20347248)
|
Keywords | 環境政策波及 / 持続可能な発展 / 気候変動政策 / CDM |
Research Abstract |
本年度は環境政策の国際的波及・分野横断的波及効果に関して, 主に気候変動政策を事例として, 研究を行った。 クリーン開発メカニズム(CDM)は, 京都議定書の規定では, 「非附属書I締約国が持続可能な発展を達成する一方で, 附属書I国の数量目標も支援する」仕組みであるが, 市場メカニズムを利用した仕組みであるため, インド, ブラジル, メキシコ, 中国が全事業の大半を占めているという地理的立地の偏りという問題も生じている。持続可能性の観点か照も, CDMによって投資されない途上国における温暖化対策はどのように進めたらよいのか, アジアにおいては中国, インドが最大排出国であるもののこれ照の国自身による削減よる削減をいかに進めるか, といった問題が残り, CDMの制度が現在のままでよいかが問われている。 本年度の研究では, 東アジアを中心とした持続可能な発展の観点からCDMを再検討し, その課題を整理するとともに, 今後のあるべき制度設計に関して検討した。まず, 持続可能な発展の概念で考慮されるべき要素を抽出するために発展論の系譜について概観し, CDM, 気候変動, 持続可能な発展の三者の相関関係に関して検討した。また, CDMがいかに持続可能な発展に貢献しうるかについて検討し, 現行制度におけるCDMの課題を整理し, 今後のあるべきCDMの制度設計に関して提言を行った。
|
Research Products
(1 results)