2008 Fiscal Year Annual Research Report
特許制度における情報開示と権利付与のあり方の理論的分析:先使用権を中心として
Project/Area Number |
19730184
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
矢崎 敬人 Kogakuin University, グローバルエンジニアリング学部, 講師 (10345150)
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Keywords | 特許制度 / 先使用権 / 技術標準化 / ブロードバンド |
Research Abstract |
本研究では, 各国の特許制度において, 技術の開示と権利の付与のバランスがどのようにとられているかについて, 特に特許制度を念頭において実態を詳細に比較するとともに, このバランスが, 研究開発活動と技術の普及にどのような影響を与えるかについての理論的な検討を行い, 研究開発活動促進と技術の普及を両立させるような制度・政策のあり方を探っている. 本年度はまず, 各国の特許制度下で, 新技術に関する情報がどのような条件で開示され, 技術開発者にどのような権利が付与されるかについての, 各国の法令・判例や事例研究を含む書籍・資料を引き続き収集・分析した. この中で特に, 情報開示と権利付与のバランス, 特許以外の技術保護の制度, 技術ライセンスに関わる制度について, 現状と敬意の把握に努めた. 並行して, 競争とイノベーションの関係についての既存の理論的・実証的研究のサーベイを行い, 検討するべき課題を洗い出した. 理論的分析として, 先使用権の有無が持つ効果を分析するための, 投資段階, 特許化の有無を決定する段階、生産段階からなる理論的枠組みに基づく, 先使用権を認める制度と認めない制度の比較を引き続き行った. この中で, 技術開発者が技術を特許化した場合にそれを他者にライセンスすることができることがどのような効果をもたらすかについても分析を行った. 関連して, 企業による技術標準化活動の事例を収集・分析し, 特許制度のあり方と技術標準化の関係について理論的に検討する準備を行った. また, 日本のブロードバンド普及の要因とその影響についての分析を行い, この中で技術標準化の役割について検討を行った.
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Research Products
(1 results)