2008 Fiscal Year Annual Research Report
サプライヤー関係の変化と現代日本における中小サプライヤーの存立と行動に関する研究
Project/Area Number |
19730277
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Research Institution | Hannan University |
Principal Investigator |
関 智宏 Hannan University, 経営情報学部, 講師 (40434865)
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Keywords | サプライヤー / 脱下請 / 中小企業 / 連携 / ネットワーク / 下請制 / 経営革新 / 産業集積 |
Research Abstract |
本研究は、日本におけるアセンブラーとサプライヤーとの企業間関係(以下、サプライヤー関係)において、1990年代以降のサプライヤー関係の変化が、中小サプライヤーの存立にいかなる影響を及ぼすか、またそれにより中小サプライヤーがいかなる行動をとるかを理論的・実証的に明らかにすることを目的としていた。具体的な検討課題は、(1)1990年代以降におけるサプライヤー関係の変化がいかなるものか、(2)中小サブライヤーが方策の1つとしてとりうる連携が中小サプライヤーの存立にいかなる効果をもたらすか、(3)以上の(1)と(2)の検討事項から、企業間関係論的アプローチからの中小企業存立論という観点からいかなる理論化を図ることができるか、の3点であった。 (1) の点は、「エグジット/ボイス理論」をいて、1990代のサプライヤー関係の変化を液晶パネル市場と家電メーカーの事例を基に検討し、研究成果を上梓した。 (2) の点は、アドック神戸という神戸地域の中小企業連携組織と、その参画企業数社を事例に、連携を通じた中小企業の成長発展(これを自律化とする)について検討し、研究成果を上梓した。また、中小企業庁がすすめる連携支援制度と、中小企業の自律化をも含む連携の成果について、アンケート調査を基に検討し、研究成果を上梓した。 以上の2点について今年度に取組むことができた。研究の過程で、(3)の点は、研究対象とする中小サプライヤーのケース・スタディに計画以上に時間を要したことから、当該企業に仕事を発注する大手アセンブラーについての検討を研究計画期間中に行うことができず、そのため、課題が残された。次年度は研究計画外ではあるが、次年度も引き続き研究課題の追求を行っていきたい。
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Research Products
(3 results)