2007 Fiscal Year Annual Research Report
我が国若手従業員の昇進意欲と責任感の希薄化に関する実態調査
Project/Area Number |
19730281
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
三島 斉紀 Kanagawa University, 経済学部, 助教 (10435555)
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Keywords | 若手従業員 / 責任感 / 昇進意欲 / モチベーション / Maslow |
Research Abstract |
この研究の目的は、我が国の大手企業の若手従業員に共通して報告される顕著な傾向、すなわち、昇進したくない、責任を持ちたく」ないという、いわゆる昇進意欲の減退と責任感の希薄化に関する現状・実態を把握することにある。昨年までを通じ、大手電力会社、家電メーカー、化学、農機具メーカーなどの企業の若手従業員を相手としたヒアリング調査がある程度終了した。やはり、彼らからは同種の意見が数多く報告されている。現在は、これらのヒアリング調査を基礎に、なぜそのような傾向がおきているのか、いかなる経緯を経てその種の傾向が生じているのか、共通の組織的な背景が存在しているのか、等に関する分析を進めている段階である。 しかしながら、追加すべき留意点が2点生じた。1点目は、どうやらこの種の傾向は、職場生活に入ることによって強く意識され始めるだけなのではないかという疑念である。すなわち、職業生活に入ってから、若者にこの種の傾向が生じるというよりも、学生の頃から強く見受けられる傾向なのではないかという疑念である。実際、これと類似した報告が学生たちからも数多くなされており、現在は、このことに関して、学生を相手とした実態調査を補足的に行っている段階である。 2点目として、こうなると、考察すべきはヒトの本来的なモチベーションそのものとなる。すなわち、人間にはいかなる根源的欲求があるのか、成長とともにそれらの欲求はいかような変化が生じるのか、また、人間の根源的欲求・傾向をいかように企業経営の場で用いるべきなのかということに関する考察が必要となってくる。そのため、上記等に加え、ヒトの根源的なモチベーションに関する理論調査(主にA.H.MaslowとD.M.McGregor)も追加として行っている段階である。
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