2008 Fiscal Year Annual Research Report
意思決定の原動力となるインフォメーションデザインとネットワーク構造の影響
Project/Area Number |
19730291
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Research Institution | International University of Japan |
Principal Investigator |
OZCAN Kerimcan International University of Japan, 国際経営学研究科, 講師 (70410230)
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Keywords | インフォメーションデザイン / 社会的ネットワーク / 意思決定 / 実験 / シミュレーション / ロコミ |
Research Abstract |
初期のWOM(word-of-mouth)文献の大部分は、他の現象の研究結果に元づいている。しかし、最近の研究では、WOM自体に焦点を絞っている。それにもかかわらず、WOM自体とその原因、結果、および内面の働きは、いまだによく知られていない。本研究が必要しているのは、WOM相互作用の心理的や言語学的なデータである。すなわち、本研究では、WOMを対話過程としてモデル化するべきである。そのため、80人が参加した120のWOM意思決定の実験を行い、WOM全体における言学的、および心理的なデータを記録した。WOM過程は、色々なテーマについての小会話の連続としてモデル化されている。その小会話は、各参加者の出番としてモデル化されている。本研究の現在までの結果は、以下の通りである。WOM対話は、共通の土台や機会の探求に向かって、心構えや意志など、高レベルの概念についての対話として開始する。重要なテーマや好都合のテーマは最初の段階に持ち出される。具体的なテーマ(例えば、好評)は、抽象的なテーマ(例えば、重要さ)より好まれる。極論を伴うテーマは、修辞的な方策として議論に取り入れることが可能である。長くて、激しい対話の結果として、両参加者の意見調整が行われる。結果として、WOM対話の内面過程と内容は常時、相互作用の場面の状況により決定されるということが分かった。しかし、WOM過程が任意で、まったく予測できないという意味ではない。対話開始と終了の規則性、テーマの管理、出番の決定、議論の作戦、概念の階層や社交交流の策略などの研究によって、WOM対話の成り行きと結果が予測できるのである。
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