2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本的生産システムの再編期における小集団活動の研究
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19730328
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
小川 慎一 Yokohama National University, 大学院・国際社会科学研究科, 准教授 (30334618)
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Keywords | 小集団活動 / 日本的生産システム / QCサークル |
Research Abstract |
(1)雑誌論文の執筆 平成19年度は、日本における小集団活動の誕生とその後の展開について、一般読者(企業の管理職層)を対象にした雑誌論文を執筆した。社会科学系の研究者がおこなった、小集団活動に関する研究は一般にはそれほど知られていないため、社会科学的視点から見た小集団活動を企業関係者に触れてもらうにはよい機会を得た。 (2)普及団体の関係者を対象とする聞き取り調査 小集団活動の著名な普及団体(1団体)で活躍する外部研究者と事務局を対象に、1990年代以降の動向について聞き取り調査を実施した。その結果、1990年代および2000年代を通じて、小集団活動の活動形態や普及団体の支部の普及形態が、1980年代と比較して大きく変化していることがわかった。 1)小集団活動の活動形態 1980年代は製造現場を中心とする継続的・同一職場型の活動が中心であった。1990年代以降は事務部門や開発部門を巻き込んだ、プロジェクト的・職場横断型の活動の比重が高まってきた。かつては製造業を中心に普及してきた活動だが、福祉・医療産業にもこの活動が普及している。また、職場の既存の問題解決を目的とする改善活動だけでなく、新たな職場の課題の達成を目指す活動も増加している。 2)普及団体の支部の活動形態 1990年代以降の人員削減や製造拠点の海外移転の結果、日本各地の普及団体支部で普及啓発をおこなう企業関係者の数が減っている。しかしそれは小集団活動の意義が減じたことを意味しない。企業不祥事の相次ぐ中、どう小集団活動の普及と底上げを図るのかが、課題のひとつとして浮上している。
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Research Products
(2 results)