2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730341
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Research Institution | Niigata University of International and Information Studies |
Principal Investigator |
小宮山 智志 Niigata University of International and Information Studies, 情報文化学部, 准教授 (40329347)
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Keywords | 階層 / 計量分析 / 聴き取り調査 / 質問紙調査 |
Research Abstract |
職業における楽しみとは何だろうか。いままでの階層研究で扱ってきた資源は、主に職業よる外発的報酬である。本研究は、外発的報酬である賃金・社会的地位と、内発的動機である職業に従事すること自体の"楽しみ"が、どのような関係になっているのかを明らかにする。 3年計画の2年目の平成20年度は、平成19年度のインタビュー調査の分析をもとに質問紙調査を実施した。職業におけるフロー経験(強い没入経験)に影響を与えると考えられる、労働における自発性、独創性、結果の明確さの認知を計測した。さらに仕事のための自発的な学習・技能の獲得や、転職・仕事内容の変動の経験について調査した。19年度のインタビュー調査で観察された、転職・仕事内容の変動によって「機会と技能のつり合い」を取ることができ、自発性や独創性を発揮し続けることができたケースや、自発的な学習の時間が得られず「つり合い」が取れなかったケースを考慮したためである。 統制要因として、一般に"仕事の楽しみ"と考えられる職場の人間関係の良好さや、日常生活における価値観について調査した。外発的報酬については、回収率を考慮し、役職や企業規模から推測するにとどめた。世帯単位の無作為抽出法による訪問留め置き郵送調査を新潟市において実施した。回収率は40%程度であり、特に若年層のデータが不足したため、平成21年度において追加調査を予定している。 参考文献Csikszentmihalyi, Mihaly, 1977, Beyond boredom and anxiety, San Francisco : Jossey-Bass Publishers. (=1991, 今村浩明訳『楽しむということ』思索社.)
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