2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730342
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Research Institution | Nagaoka University |
Principal Investigator |
平野 順子 Nagaoka University, 産業経営学部, 准教授 (20387327)
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Keywords | 高齢者 / 災害 / 復興意識 / 地域社会 / 中越地震 |
Research Abstract |
災害においては、高齢者は「社会的弱者」と考えられ、被害の大きさはもとより、復興過程においても取り残されがちな存在である。本研究は、(1)中越地震の被災地域の高齢者の復興意識の検討、(2)復興意識の決定要因の検討、を目的として、平成19年度は、被災高齢者に対するヒアリング調査を3事例、そして約500名の被災者に対するアンケート調査を実施した。 (1)ヒアリング調査の結果概要 人生の浮沈図曲線を使い、各被災者の人生に対する被災のインパクト、他のライフイベントとの比較、将来展望へのインパクトを検討した。その結果、非常に少ない3名という事例数ではあるが、戦争や過去の地震(新潟地震)等と比較しても、今回の地震のインパクトは大きいことが分かった。その背景として、「高齢」であることが理由であると考えられる。それは、人的ネットワーク、家族関係、経済的問題、将来の展望、生きがい等、地震によって高齢者が影響を受けやすいということが、対象者の口から語られた。 (2)アンケート調査の結果概要 アンケート調査の結果、被害そのものの大きさ、それによって受ける心理的影響、ともに、高齢者世代は、他世代よりも大きなインパクトを受けていることが分かった。それらの規定要因については、平成20年度に詳細について検討することとするが、大災害において高齢者が社会的弱者と言われることの裏付けがなされた。被害によって受ける二次的な影響については、行政の対応では簡単に対応することは難しい。平成20年度については、19年度の調査結果を元にして、その対策についても考えたい。
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