2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730342
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Research Institution | Nagaoka University |
Principal Investigator |
平野 順子 Nagaoka University, 経済経営学部, 准教授 (20387327)
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Keywords | 生活復興 / 被災 / 中越地震 / 高齢者 / 被災者 |
Research Abstract |
(1) 被災者の生活復興過程 (1)生活復興過程は3つの因子から成り立ち、その因子を元にクラスター分析を行ったところ、「体験否定型」「体験受け入れ型」「復興途上型」という3グループに類型化されることが明らかになった。それぞれのグループに属する被災者の「生活復興感」得点の平均値は、グループが推移するにつれ、生活復興感得点が有意に高まった。つまり、中越地震被災者は、体験を否定して受け入れられない段階→体験に積極的な意味を見いだして受け入れのための努力をする段階→積極的な意味を見いだし、さらに震災前の生活に戻って復興途上の段階、という3段階を経て、その段階毎に生活復興感が高まるのである。 (2) 体験否定型が59人、体験受け入れ型が65人、復興途上型が94人であった。 (2) 生活復興過程と被災者 (1) 年齢・健康状態などの属性変数の他に、現在の世帯の経済状況や被害総額といった経済的要因、近所付き合いの増減といった地域の社会関係要因、心のストレス得点といった要因で、グループ間で有意差が見られた。 (2) 被害総額が比較的少額だった回答者で、スムーズに生活復興が進んでいることが分かった。しかしその一方で、生活復興が進んでいるグループには、被害総額が大きかった人たちも多く含まれていることが分かった。震災当時の被害が大きくても、その後の適切な施策や対処によって、生活復興を促進することが可能であることを示していると考えられる。 (3) とりわけ、生活復興過程が進まないグループでは、被災後に「近所付き合いが減った」と回答している人が多い。いかにして地域の社会関係を活性化するかということが、非常に重要な課題となろう。 (4) 生活復興が遅れている被災者は、心のストレスが大きい。
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Research Products
(1 results)