2008 Fiscal Year Annual Research Report
日・米・英国におけるエスニシティにかかわるソーシャルワークの理念と教育方法の研究
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19730370
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Research Institution | Japan College of Social Work |
Principal Investigator |
添田 正揮 Japan College of Social Work, 社会福祉学部, 講師 (90409251)
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Keywords | ソーシャルワーク / ソーシャルワーク教育 / 社会福祉教育・実習 / エスニシティ / 多文化 / human diversity(ダイバーシティ) / マルチカルチュラル・コンピテンシー / anti-oppressivepractice |
Research Abstract |
本年度は、多文化やエスニシティに関わる理念や指標などが、教育現場においてどのように教授されているのかを訪問調査及び聞き取り調査を通じて明らかにすることを目的として、以下の内容を実施した。(1)北米のGeorge Warren Brown School of Social Work, Washington University in St. Louis(以下、Brown School)MSWコース所属教員への聞き取り調査(調査内容 : (1)教育カリキュラム、(2)シラバス、(3)テキスト、(4)実習プログラム、(5)実習配属のプロセス、(6)実習施設・機関の種類、(7)実習施設の実習指導者の資格及び役割等)。(2)実習施設・機関の訪問・聞き取り調査。(3)科目「Human Diversity」の担当者への聞き取り調査。(4)実習指導クラス(Fomdation Placticum Integrative Seminar)への参加。(5)留学生への聞き取り調査。 以上を踏まえ次の点が明らかになった。(1)ソーシャルワーク教育協議会(CSWE)の認定基準に基づき多文化カリキュラムを編成し、シラバス等を作成している。CSWEはソーシャルワーク教育のスタンダードの構築と維持を目的としてソーシャルワーク教育者、専門機関及び組織、学際的機関によって設立された組織であるため、日本の社会福祉教育にエスニシティを含んだ多文化へ視点の導入と教育方法やカリキュラムを整備する上で重要である。(2)科目「Human Diversity」においては、oppression、privilege、social class、disability、sexual orientation、poverty、bias、stereotypes、obfuscation、institutionalize violence、social construction of difference、discrimination、economics of race等というように幅広いテーマを扱っている。これら「多様性」を構成する具体的要因をソーシャルワーク実践のエビデンス(evidence based practice)として教授している。エスニシティは多文化ソーシャルワーク教育の一部であり、教育内容と教育方法を構築する上で重要である。(3)NASWの「Indicators for Cultural Compctence in Social Work practice」は実習教育指導において意識されていない。職能団体が牢成したコンピテンスなどの教材の活用方法や現場との連携のあり方を検討する上で有意義である。さらに、文化的コンピテンスの把握と向上のための自己覚知トレーニングマニュアルの必要性や訓練方法など、日本における教育教材の開発につなげることができる。
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Research Products
(1 results)