2007 Fiscal Year Annual Research Report
社会行動への遺伝環境作用の進化心理学および行動遺伝学による検討
Project/Area Number |
19730384
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平石 界 Kyoto University, こころの未来研究センター, 助教 (50343108)
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Keywords | 社会心理学 / 遺伝子 / 進化心理学 / 行動遺伝学 / 経済ゲーム |
Research Abstract |
質問紙調査について、他者一般への態度を測定する一般信頼尺度得点と、NEOパーソナリティ質問紙によって測定される外向性特性および協調性得点についての双生児データの多変量遺伝環境分析を行い、パーソナリティ特性によって一般信頼得点が影響を受けるという因果関係が示された。この結果についてはEvolution and Human Behavior誌に掲載された。 双生児を対象としたStrategy Methodによる公共財ゲームのデータについて、遺伝と環境の影響を分析した。他者の協力度が低いときの協力度は家族内で共有されない非共有環境で説明されることが示された。一方、他者の協力度が高くなるにつれ家族環境や遺伝の影響が現れることが示された。これは社会環境(他者の協力度)によって、個人差への遺伝寄与率が変化することを示しており、遺伝環境交互作用を考える上で重要な発見であった。この結果については、日本心理学会の第71回大会にて発表した。 一方で経済ゲーム実験への男性二卵性ペアの参加率がきわめて低く、双生児の大規模サンプルを対象とした実験室実験の困難さも浮き彫りとなった。郵送による質問紙調査では参加率が高いものの、経済ゲームを郵送調査で行った場合、ゲームの内容の理解が得られたか確認する方法がない。そこでWebブラウザを通じてインタラクティブにゲームの内容理解を確認をした上で実験を行うシステムを開発した。個人情報保護の観点から専門業者にシステム開発を発注し、研究者が内容を確認し、ボランティア学生が使用感を確認する形をとった。
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Research Products
(4 results)