2009 Fiscal Year Annual Research Report
縦断的調査による児童期中・後期における自己概念の発達
Project/Area Number |
19730419
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Research Institution | Shiraumegakuen College |
Principal Investigator |
佐久間 路子 Shiraume Gakuen University, 子ども学部, 准教授 (30389853)
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Keywords | 自己概念 / 児童 / 縦断研究 / 自己肯定感 / 質問紙調査 |
Research Abstract |
本研究では3年問の研究期間で、3年間縦断的に質問紙調査および自己理解インタビューを行い,児童期中・後期の自己概念の発達を明らかにすることを目的としている。3年目である本年度では、昨年度に引き続き、関東の小学校2校に協力を依頼し,小学校4年生,5年生,6年生478名を対象に,質問紙調査を行った。質問紙の内容は,自己理解インタビュー(佐久間ら,2000)の内容を踏襲した自己の肯定的側面と否定的側面をたずねる項目と,自己の時間的変化に関する項日,全般的なコンピテンスを測定する項目(「児童用コンピテンス測定尺度」(桜井,1999))を含むものである。質問紙の結果を各年齢群間で横断的な比較を行ったところ、今年度も、学年が上がるほど、自分のことが好きかという質問に対して、「どちらかといえばきらい」あるいは「きらい」というように否定的に評価していることが明らかになった。さらに縦断的な比較を行うため、自分のことがどの程度好きかの質問に倒して、1年後に「すき」方向に変化したか、変化しないか、「きらい」方向に変化したかで3群に分類して分析を行った。4年生と5年生の比較、5年生と6年生の比較ともに変化なし群が多かったが、きらい方向への変化も4~5年では40.3%、5~6年では35.0%と、すき方向への変化(4~5年16.4%、5~6年23.5%)よりも多かったことから、学年が上がると自己を否定的に捉えるようになる傾向が伺われた。また都内の小学校の児童(4~6年生)を対象としたインタビュー調査も行い、自己概念の発達的変化について質的な検討を行った。さらに「自己の否定的側面への気づき」に対処するための効果的な方法について検討するため、引き続き自己制御や社会的スキルトレーニングに関する文献や教材を収集し、整理した。
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Research Products
(1 results)