2008 Fiscal Year Annual Research Report
産後うつ病の家族へのコミュニティーでの援助に関する臨床心理学的介入研究
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19730428
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
金子 一史 Nagoya University, 発達心理精神科学教育研究センター, 准教授 (80345876)
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Keywords | 産後うつ病 / 産後うつ病自己評価票(EPDS) / 新生児訪問 / 産後母親愛着 / コミュニティー援助 / 保健師 / Postpartum bonding Questionnaire (PBQ) |
Research Abstract |
平成20年度は、調査の実施およびデータの分析を行った。調査は、生後3ヶ月児健診時に行った。測定尺度は、エジンバラ産後うつ病自己評価表(Edingburg Postnatal Depression Scale ; EPDS)、産後母親愛着尺度(Postpartum Bonding Questionnaire ; PBQ)から構成された。その他に、母親の年齢等のデモグラフィックデータを用いた。1年間でおよそ600名のデータが収集された。3ヶ月健診時に、保健師および看護師による問診者が質問紙の採点を行い、高得点者となった母親に対しては、その場で問診を行った。問診の結果、支援が必要と判断された場合は、筆者による臨床心理面接へ導入し、経過をフォローした。また、ケース処遇会議を毎月開催した。 調査データの分析にあたっては、匿名化の作業を行い、個人情報の取り扱いに注意を払った。本研究の結果の一部については、平成20年11月に行われた海外での産後愛着尺度に関するシンポジウムで発表した。また、国際誌への論文としての刊行を目指して、データの分析を進め、原稿の執筆に取りかかった。 産後うつ病に関して、コミュニディーサンプルでのデータは日本にはこれまで筆者の知る限り報告がなく、本研究が初めてである。回答率が約95%と、これまでになく偏りの少ないデータが収集できた。新生児訪問との関連を検討することで、ハイリスクの母親への介入について、具体的な指針を提供することができた。
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Research Products
(4 results)