2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730437
|
Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
高橋 稔 Mejiro University, 人間学部, 講師 (10341231)
|
Keywords | 行動分析学 / アクセプタンス / 思考抑制 / 痛み |
Research Abstract |
心理臨床領域において行動分析学による知見が様々な形で応用されるようになってきた。その1つに、Acceptance and Commitment Therapy(ACT;Hayesら,1999)がある。この中で強調されているアクセプタンスの状態とは、認知の変化を狙わず積極的対処から脱却することから得られるものと考えられ、治療ではこの状態へと誘う。本研究では、アクセプタンスの技法として提案している手法の効果を検証することを目的とし、コールドプレッサー課題を用いた実験をおこなった。 今年度は、アクセプタンス状態に対して「観察」条件を用意し、認知の変容を狙った方法として抑制(「(不安に対して)不安を感じないようにしよう」)や注意そらし(「(経験している痛み以外に)ほかに注意を向けよう」)が取り上げ比較した。「抑制」群と比較する(研究1)と、アクセプタンス方略群の耐久時間が有意に長く、また「注意そらし」群とを比較した結果(研究2)は差が見られなかった。また、新たな課題として、本研究で実施した観察条件とACTの狙うアクセプタンスの状態とを比較し、効果を検証をする必要があることが挙げられた。 これまでの研究結果については、各種学会にて話題提供やポスター発表を行った。さらに、この予備研究を踏まえ、新たに対象者間-対象者間の混合実験計画でおこなっている。なお、実験に嫌悪刺激を用いることについては、昨年度目白大学内の倫理審査を申請し、承認を得ている(平成19年6月26日付通知)。
|