2007 Fiscal Year Annual Research Report
眼球運動前後における視覚情報獲得の精神生理学的研究
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19730472
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
風井 浩志 Kwansei Gakuin University, 理工学研究科, 専門技術員 (80388719)
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Keywords | 視覚情報処理 / パタン知覚 / 誘発脳電位 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、眼球静止時の視覚情報処理と比較して、眼球運動によって視覚情報処理がどのように変化するのかを、精神生理学的に検討することである。精神生理学的手法として視覚誘発脳電位を計測指標として用いることが、本研究の特色の一つとして挙げられる。この特色を十分に活かすためには、明瞭な視覚誘発脳電位を惹起する視覚刺激(パタン刺激)の選定が重要なポイントになる。平成19年度の研究においては、明瞭な視覚誘発電位を惹起する視覚刺激(パタン刺激)の選定に取り組んだ。いくつかの先行研究によって、顔パタン刺激によって惹起される視覚誘発電位(N170成分)が比較的安定して記録できることが知られている。これらの先行研究を踏まえて、顔パタン刺激の中でも最も安定して顕著なN170成分を惹起するパタンを調べるために、顔パタン刺激のパーツ(目・口)の配置を変化させて、それに応じたN170成分を記録した。実験の結果として、(1)比較的単純な顔パタン刺激に対しても、後側頭部において明瞭なN170成分が記録できること、(2)顔の上下方向が逆転したパタン刺激(倒立パタン)の方が、より明瞭なN170成分を惹起すること、(3)正立状態(上向き)の顔パタン刺激においてはパーツの配置がN170成分の大きさに影響するのに対して、倒立状態(下向き)の顔パタン刺激においてはパーツの配置はN170成分の大きさに影響しないこと、などが明らかになった。
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Research Products
(2 results)