2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730481
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
若林 身歌 大阪府立大学, 総合教育研究, 准教授 (50400536)
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Keywords | 環境教育 / ドイツ / 教授学 / 教育学 / 教育方法 / 持続可能な発展のための教育 |
Research Abstract |
本年度(平成22年度)は最終年度であるため、この間3年間にわたって各年度において進めてきた3つの研究課題(1.ドイツの学校環境教育における教育学的基底に関する研究、2.ドイツの学校環境教育における教育目的・目標論と教育内容・カリキュラムの実際に関する研究、3.ドイツの学校環境教育における教育方法と教材・教具に関する研究)について、再度その取り組みの成果を検討し直すとともに、それぞれの研究成果における相互の関連を問うことを通して、ドイツの初等・中等学校における環境教育の理論と実際を体系的に明らかにすることを課題とした。ここでは研究主題「ドイツの環境教育に関する教授学的研究」のもと、ドイツの学校環境教育を支える環境教育論とその教育学的基盤を掘り起こすとともに、1970年代以降のドイツの初等・中等学校における環境教育の取り組みを教育目標-教育内容-教育方法-教材・教具の各観点にわたって理論的・実践的に解明することを通して、その教授学(教育方法学)的体系を明らかにすることに取り組んだ。そして、これらの作業のうえに「環境教育学」や「環境教授学」といった環境教育独自の教育学や教育方法学を構築することの可能性について考察した。 一方、このように環境教育の理論と実践を教育方法学的な観点から重層的に読み解く作業を進めるなかで、今後はこれらの成果をさらに1990年代後半以降今日に続く環境教育から「持続可能な発展のための教育」への転換という歴史的な動向(横軸)と合わせて分析する必要があると感じている。よって、この点については更なる研究課題とし、今後も引き続き研究を進めていくことにしたい。
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