2007 Fiscal Year Annual Research Report
遊びの援助における保育者の専門性の確立:小学校教育との学びの連続性を図るために
Project/Area Number |
19730491
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
宇田 幸子 (北野 幸子) Fukuoka University of Education, 教育学部, 准教授 (90309667)
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Keywords | 就学前教育 / 教師の専門性 / 保幼小連携 |
Research Abstract |
本研究は、小学校教育との連続性を考慮しながら、保育実践での、遊びの中に埋め込まれている学びや教育内容を解明し、その場面を分析することで、援助の構造化を図ることを目的にしている。そのために好きな遊び揚面(設定保育(一斉保育)ではなく、子どもの主体的選択による遊び中心の保育場面)のデータ収集・整理と、そこでの学びの要素の抽出と検討を行った。好きな遊び場面については、週一回程度、データを収集し(計39日)、テープ起こしを行い、小学校の教育内容と比較した。分析にあたっては小学校学習指導要領等を参照し、好きな遊び場面のビデオ映像の中に、小学校教科にあたる内容がどの程度入っているかを検討した。結果、いずれの場面にも、複数の教科教育内容が含まれていることが明らかになった。特に運動遊びが顕著にみられた。好きな遊びの中で、小学校低学年の内容と類似するものが顕著に見られたが、特に体育、図画工作、生活科の科目の内容が多かった。中には、小学校五年生の内容と類似するものも見られた。読み書き算数は、原則、保育の教育課程には含まれていないが、その基礎となる部分が絵本や図鑑、動植物やオモチャなどと関わる場面の中で、みられた。一斉保育に比べて好きな遊びを中心とする保育では、嗜好性や個人差が見られることも予測されたが、抽出児に焦点をあてて、検討した結果、教科と関わる学びが、実践的遊びの中からバラエティー豊かに含まれていることが明らかになった。幼児教育実践例や文献等に含まれている実践と、小学校体育、音楽、生活科、家庭科の内容との関係性についても分析を行った。重複部分やより継続性を持たせることができることが明らかになった。分析にあたっては、小学校教諭と大学研究者の協力者より、具体的示唆を得た。
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