2008 Fiscal Year Annual Research Report
デューイ実験学校における学部学生・大学院生のアシスタント活動による教職専門職教育
Project/Area Number |
19730500
|
Research Institution | Keiwa College |
Principal Investigator |
伊藤 敦美 Keiwa College, 人文学部, 准教授 (80387315)
|
Keywords | 教育学 / デューイ実験学校 / 教職専門職教育 |
Research Abstract |
【目的】デューイ実験学校におけるアシスタント活動を通しての教職専門職教育について検討することによって、今日の教職課程における学校支援活動を通しての教職専門職教育の在り方について知見を得ることを目的として研究を行った。 【方法】デューイ実験学校において活動していたアシスタントのうち、シカゴ大学に在籍していた大学院生・学部学生について、活動内容などを明らかにするために、「学業成績証明書」「シカゴ大学年次記録」を中心とした史資料の分析を行った。さらに、デューイの諸著作により彼の教育学構想についての分析を行い、今日の教職課程における学校支援活動を通しての教職専門職教育の在り方について検討した。 【結果】1. シカゴ大学教育学科においてデューイ実験学校の教員が担当していた授業科目には受講生の教育に関する経験に応じて、授業観察、アシスタント、実習が多く求められる場合と理論の学習に重点が置かれる場合の2通りの授業形態があったこと、2. アシスタントには「授業補助」と「授業実施」の2通りの形態があり、「授業実施」のアシスタントは研究のため、実習のため、奨学金のための3つに分類されること、3. 「授業補助」及び研究や実習の為の「授業実施」は、理論と実践との統合を目指す教職専門職教育を実践化したものであったことなどが明らかになった。学生アシスタント制度の導入には、大学での学問研究を現実の学校教育場面で実感を伴って理解させること、そして学生たちに子どもの心の有り様を実感させることによって「何を教えるのか」と「いかに教えるのか」の分離を克服し、理論と実践とが統合されるという意義があった。以上の結果から、今日の大学・大学院の教職課程における授業と学校支援活動において、積極的に理論と実践との統合を目指すこと、そのために受講生の教育に関する経験に応じて授業や学校支援活動の形態を考慮することの重要性が示唆された。
|
Research Products
(3 results)