2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730516
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大多和 直樹 The University of Tokyo, 東京大学・大学総合教育研究センター, 助教 (60302600)
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Keywords | eラーニング / 教育のコスト / 高等教育 |
Research Abstract |
●ヒドゥンコストに焦点を当てたIT利用のコストーベネフィットに関するケーススタディ 昨年実施したパイロット・スタディをもとに広汎に大学におけるIT利用の事例についての聞き取り調査を行った。ここからは、(1)(ヒドゥン)コストがどこに生じており、実践者がどのようにそれを認識しているのか、(2)ベネフィットについてどのような認識を持っているのか、についての事例を収集した。(1)ヒドゥンコスト事例1 ITを積極的に用いている教員(IT推進者以外) IT推進の学問領域や実践者以外にも、ITを積極的に用いている教員も近年増えてきている。彼らは、ITにたいして高く教育的なベネフィットを見積もっているが、実際に授業実践に用いるまでには、環境的な要因(教室の設備や資料の電子化、情報入手においてインターネットが主要な手段になること)によって利用が阻まれていたことが見えてきた。こうした自己を取り巻く環境がIT授業実践へのハードル(ヒドゥンコスト)として存在していた。 (2) ヒドゥンコスト事例2 市場成立の可能性のあるパッケージを用いた事例 近年、WebCT,ブラックボード等にみられるような、LMS(ラーニング・マネージメント・システム)が機関に導入されるケースが増えている。多くの機能があり様々な利用の可能性があるが、教員によってはそのまま利用するよりもカスタマイズしたくなる場面が多くなることが見えてきた。この際、仕様として不可能であったり、カスタマイズに高いITスキルが必要で、かつ多大な時間がかかることがあったりし、利用を断念する事例が複数見られた。
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