2009 Fiscal Year Annual Research Report
生徒指導研究における社会的構成論の可能性:社会学的知見の教育学上の再編へ向けて
Project/Area Number |
19730526
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
間山 広朗 Kanagawa University, 人間科学部, 助教 (50386489)
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Keywords | 生徒指導 / 社会的構成論 / 社会学 / 教育学 |
Research Abstract |
本研究の目的のうち、理論的検討課題としては、(1)社会的構成論の社会学上の研究目的と理論的諸問題の整理、および(2)社会的構成論を教育(社会)学的に再編する際の理論的課題の定式化、の2点があげられる。具体的には、第1に本研究が依拠する社会的構成論の特質を整理しておくことを課題とし、第2に応用社会学であると同時に教育学の一領域でもある教育社会学が純粋科学としての研究成果に加えて教育領域に対する貢献を提出できるように実践の記述をデザインすることを課題としてきた。 このような課題設定のもと、本研究は、現場の教員が現実に生起する多様な生徒指導上の問題にどのような点で対応に苦慮しているのかを、学校的・教育的な規範のせめぎ合いの観点から描き出すことを目指している。そのため、小学校現職教員による実践報告を中心とした共同研究を重ねており、その成果を、教育社会学論文集『教育を社会学する』(学文社)に、「いじめの概念分析の課題一定義と認定の問題をめぐって」論文として公表予定(平成22年9月刊行予定)である。また、この共同研究は、教育実践者自らによる社会学的な実践研究を提出する基盤として位置づけられる。 なお、社会学的知見が教育実践にどのような「役立ち」の可能性があるかを検討するために、教育社会学を専攻し将来学校教員を志望する大学生5名への聞き取り調査を実施した。この聞き取り調査は、今後当該学生が教員として数年勤務した後に継続調査を行うことによって社会学の「役立ち」について検討することを予定している。
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