2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740042
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山崎 武 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 准教授 (30336812)
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Keywords | 逆数学 / 二階算術 / 超準モデル / 再帰理論 / 弱ケーニッヒの補題 |
Research Abstract |
計画ではcollectionの保存性について調べる予定であったが,当初想定していたようなモデルは本質的に構成できないことがわかった.ただし問題そのものを否定する結果を得たわけはないので,これまでとは全く異なる方法でオメガーモデルを構成できる可能性はある.しかし,その手段を見つけ出すことは困難であると思われるので,予定を変更し,ランダム性を先に調べることとした. そのため,ランダム性の概念を一般化した部分ランダム性について考察し,それに対応する二階算術の部分体系を導入した.0と1からなる無限列のランダム性には様々な定義がある.そこで劉晨光氏と共に部分的ランダム性に関する新しい概念を導入し,強Chaitin-T-ランダム性が弱DH-Chaitin-T-ランダム性より本質的に異なることを示した.また,部分的ランダム性に関して対格的な定義を考えることができる.また0<T<1の範囲で(相対的)弱Chaitin-T-ランダムな無限列の存在を主張する公理を導入し,その体系の強さを既存の体系と比較した.一方,0-1無限列は[0,1]に属する実数の2進小数展開とみなすことができる.無限列Tが何らかの意味でT-ランダムになる場合,対格部分ランダムであるということにする.対格部分ランダムについても同じように対応する形式体系を考えることができる.現在は,対格部分ランダムの複雑さと対応する形式体系の強さについて考察中である.対格的部分ランダムについての分離的結果(いくつかの部分ランダム性は対格的には異なると考えられる)を得られれば,これまでの結果をまとめて論文にする予定である. その他にも前年度に得られた代数の基礎に関する逆数学的結果をいくつか拡張することに成功した.
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