2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740042
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山崎 武 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 准教授 (30336812)
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Keywords | 逆数学 / 二階算術 / 帰納的関数論 / オメガモデル |
Research Abstract |
二階算術の枠組みにおいて、どれくらいの強さの集合存在公理図式があれば証明されるのに必要十分であるかという観点から、数学の定理を分類する試みが逆数学である。本研究の目的は、逆数学の視点を意識しながら、二階算術の部分体系のモデルの性質を分析することであり、またそれを通して再帰理論(帰納的関数論)における新しい結果を得ることである。21年度は20年度までの成果に基づいて以下の研究を行った。 1.ランダム性の考察 これまでは部分的ランダム、とりわけ相対的部分ランダムの研究を行ってきたが、一旦、相対的ランダム性について考え直すことにした。また、それに基づいて新しいランダムのクラスを定義した。このランダムが、今までのランダムのクラスとどのような関係にあるかについては、まだ部分的な結果しか得ていない。これは現在、彭寧寧氏との共同研究となっている。 2.保存性に関する二階算術のモデル論的研究 前年に得られた方法に基づいて2ベキの無限ラムジーの定理をみたす新しいモデルの構成を考えた。しかし、この構成では適切なモデルを得ることは出来なかった。とりわけ、二階算術のモデルの一階部分が満たすべき数学的帰納法を弱めることがほぼ不可能であり、この構成では、既存の結果以上のものは得られそうにない。 3.高階逆数学について この分野は井澤昇平君との共同研究とすることにした。一般の有限タイプに対する逆数学を井澤君が担当することとし、私はもっぱら3階の逆数学について行うこととした。まず、既に得ていた結果を整理し、次に超準解析的手法を3階逆数学にも応用することを試みた。現在は、3階で超準解析を定式化し、二階の体系との保存性を利用して、通常の逆数学における結果を得ようとしている。ただし、この場合、示すことのできる結果にかなり制約があることをあきらめなければならなそうである。
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