2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740099
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
戸谷 友則 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 准教授 (90321588)
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Keywords | 銀河サーベイ / 宇宙論 / バリオン震動 / 暗黒物質 / 暗黒エネルギー / 暗黒時代 / ガンマ線バースト |
Research Abstract |
すばるによるバリオン振動探査については、理論的検討をさらに進めた一方、実際にFMOSプロジェクトを進めている京都大学のFMOSチームと連携して、実際の試験観測データを用いることでサーベイデザインに有用なデータを得たのが最大の進展と言える。すばる戦略枠プロポーザルの作成に向けて、サーベイの全体像がいよいよ固まってきた。宇宙ガンマ線背景放射については、フェルミ衛星が最近報告した最新データと我々の理論モデルが非常に良い一致を示していることが示されて、戸谷の学生が米国でのフェルミシンポジウムのplenary sessionで講演を行い、注目された。戸谷自身もイタリアやドイツで招待講演を行った。ガンマ線バーストに関しては、GRB母銀河の性質からGRBの起源に迫るための研究を進めた。ライマンαエミッタと呼ばれる銀河の性質とGRB母銀河を比べる事で、ガンマ線バーストの駆動天体の性質に迫る可能性を理論的に検討した。その結果、この方法でガンマ線バースト起源天体の金属量依存性に示唆を得られる事がわかり、論文として出版した。暗黒物質については、最近問題となっている楕円銀河のサイズ進化の謎について、暗黒物質が10万太陽質量程度のコンパクト天体であるとすると、力学摩擦によりサイズ進化が説明できるというアイデアを提唱し、論文として出版した。
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