2007 Fiscal Year Annual Research Report
色の種類と濃淡で見分ける重金属イオン種のワンステップ同時分析法の開発
Project/Area Number |
19750057
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
水口 仁志 Yamagata University, 大学院・理工学研究科, 助教 (30333991)
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Keywords | 化学分析 / 簡易分析 / 目視分析 / 色 / 重金属イオン |
Research Abstract |
天然水や飲料水、農・工業用水、排水中の微量金属イオン濃度を管理することは、「人の健康の保護」という観点から極めて重要である。特に人体に有害な重金属イオンは、様々な法規によって許容濃度が厳しく設定されており、関係機関には徹底した管理が義務付けられている。近年では有害物質の排出抑制技術が進歩したが、環境の保全や食の安全が徹底されるためには、現場で迅速に対象物質の濃度をチェックできる技術が不可欠である。 高性能薄層クロマトグラフィーは、複雑なマトリクスから目的成分を分離できる高い能力をもち,かっ結果を一目で確認できる数少ない手法の一つである。かつてはペーパークロマトグラフィーで色素の分離分析を行っていたように、本研究は、スポットの色から金属オン種の同定を、色の濃淡から濃度情報を得ることができる手法を開発して、試料採取現場での分析法として適用することで、重金属イオンに対する管理技術の向上に寄与することを目的としている。 本年度は、特定の重金属イオン種をODSシリカ薄層プレト上で目視にて同時に分析するための試薬分子の探索を中心に検討した。その結果のトピックのひとつとして、水溶性ポルフィリンを発色試薬として利用した際、ODSシリカプレート上においてカドミウムイオンに対して選択的に発色する反応系を見出した点が挙げられる(日本分析化学会第56年会にて一部発表)。カドミウムイオンを選択的に検出できる簡易型の分析手法に関する報告例はいまだ少ない状況にあり、今後、上記の発色現象を利用することで、幅広い実試料に対応できる実用性の高いカドミウムイオン検出キットの実現が期待できる。
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[Journal Article] Visual Colorimetry for Trace Antimony(V) by Ion-Pair Solid-Phase Extraction with Bis[2-(5-chloro-2-pyridylazo)-5-diethylaminophenolato]cobalt(III) on a PTFE Type Membrane Filter2008
Author(s)
H., Mizuguch, Y., Matsuda, T., Mori, A., Uehara, Y., Ishikawa, M., Endo, J., Shida
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Journal Title
Analytical Sciences 24
Pages: 219-223
Peer Reviewed
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