2007 Fiscal Year Annual Research Report
迅速分離・濃縮・定量を目指した薄層液液界面電気化学セルの開発
Project/Area Number |
19750060
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉田 裕美 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 准教授 (40314306)
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Keywords | 導電性高分子 / 液液界面 / イオン移動ボルタンメトリー / 薄層 / 参照電極 / 濃縮 / ポリチオフェン |
Research Abstract |
本研究の目的は、イオンの高濃縮およびクーロメトリー的定量を目指して、水相と有機相を薄層にした液液界面電気化学セルを開発することである。特に、薄層有機相用の参照電極および対極となり得る電極がほとんど提案されていないため、本年度は、薄層有機相用の電極の開発を行い、薄層有機相を用いた液液界面イオン移動ボルタンメトリーに適用した。薄層有機相用電極として、ポリチオフェン被覆ITO電極を作成した。ポリチオフェンには、疎水性支持電解質アニオンをドープした。作成したポリチオフェンは、ITO電極に対して良好な接着性を示し、ジクロロエタンなどの有機溶媒にも溶解しなかった。同電極の電位は、疎水性支持電解質アニオンのドープ・脱ドープを伴ったポリチオフェンの酸化還元によって決定されることを確認した。したがって、同電極は、電極反応が生じても電極反応物は、液液界面イオン移動ボルタンメトリーでの測定を妨害しない。同電極上に有機相を含浸させたテフロン多孔質膜を被覆することによつて、厚さ75μmの薄層有機相を形成し、薄層有機相と水相との界面で、イオン移動ボルタンメトリーを測定した。その結果、通常の電気化学セルで測定した液液界面イオン移動反応と同様に、イオンの界面移動が電気化学的に検出でぎることが分かつた。検出されたシグナルは、通常のセルで測定したものより、若干非可逆であった。これは、ポリチオフェン被覆ITO電極の非可逆性に起因する。この問題は、対極面積に対し液液界面面積を大きくすることによって解決できた。
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Research Products
(2 results)