2007 Fiscal Year Annual Research Report
還元的およびルイス酸機能を有するインジウムによる新規合成反応開発
Project/Area Number |
19750079
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
BABU S.A Osaka University, 大学院・工学研究科, 助教 (70397610)
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Keywords | アルドール / インジウム / ケトン / アリル化 / 選択性 / 活性メチレン / アルコール / 銅 |
Research Abstract |
インジウムおよびインジウムクロライドとアリリックハライドから発生したアリルインジウムがケトンと効率よく反応し、第四級炭素を有する化合物を高収率で与えた。単純ケトン、アルコキシケトン、ヒドロキシケトンと反応し、環状遷移状態およびバイサイクリックな遷移状態を経て、きわめて効率的に立体制御された生成物を与えた。反応活性種をNMRにより観測し、その性状を明らかとした。溶媒や温度条件を的確に選ぶことで、幅広い反応基質に対して適応可能な系である。Γ位に置換基を有するアリリックインジウムからは、位置異性体(α体とγ体)が得られる。本手法では、溶媒によりこれらの作り分けに成功した。すなわち、非水系の溶媒では選択的にα体が生成し、水系の溶媒では選択的にγ体が得られた。 活性メチレン化合物とアルコールのカップリング反応が、銅触媒存在下、マイクロ波照射下で、きわめて効率よく進行する事がわかった。通常マイクロ波を照射する有機合成は反応系の温度上昇のために極性溶媒を用いるが、本系では非極性溶媒を用いることで、反応基質を直接的にマイクロ波で活性化することで反応を達成した。基質のアルコールがマイクロ波を吸収しやすいことが知られており、その効果が反応結果に反映されたと考えられる。アルコールはアリリック、およびベンジリックアルコールが適応可能で、従来、辻-Trost反応として知られている反応形式および、それと異なる基質まで適応が可能である。立体障害の大きな基質間でのカップリング反応も達成でき、大スケールでの合成も可能であることから、実用的なマイクロ波反応として有望である。
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Research Products
(3 results)