2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19750109
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高井 和之 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 助教 (80334514)
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Keywords | グラフェン / エッジ状態 / 電子線リソグラフィー / 化学修飾 / ジグザク端 / 磁場中輸送 / 通電加熱 |
Research Abstract |
シリコン基板上にへき開法により作製した20μm四方程度の単層〜数層のグラフェンに対して, 電子線リソグラフイーを用いてCr/Auのナノマスクパターンを形成し, 酸素プラズマによりエッチングを行うことにより, ナノグラフェンを作製した. 形成するマスクパターンの制御により, 最小サイズ100nm程度のアンチドット, ライン, ドットなどの形状を持つナノグラフェンの作製に成功した. これらの試料において端部位の炭素原子数のそれ以外の炭素部位に対するの原子数の割合は約1%弱となっており, 高い移動度を持つグラフェン試料では電子輸送において十分, 端の寄与が期待できることがわかった, 現在のところ最小線幅は50nm程度のものが形成できたが, これよりもさらに微細化を進めるにはマスク形成のプロセスのさらなる改良が必要である. また, 今年度あらだに作製したナノグラフェン試料の端部位の構造制御法として試料の通電加熱による方法を試行した. これまで行って来た真空チャンバー内での加熱では取り除けなかった酸素含有官能基を取り除くことができた. この方法を採用することにより, 磁場中の電気伝導における量子振動の観察から, ディラック点付近のフェルミ面にしてエッジ態が影響が確認され, ナノグラフェン端構造との電子構造との相関を輸送測定を用いて検証することができる試料作製法が確立し, ほぼ当初の研究目的が達成された. 今度は端部位の積極的な化学修飾により, ナノグラフェンの電子物性を制御することを試みていく.
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