2007 Fiscal Year Annual Research Report
基板上でのDNAマッピングを用いた発光性金属錯体配列
Project/Area Number |
19750121
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
小林 克彰 Chuo University, 理工学部, 助教 (30433874)
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Keywords | DNA配線 / 選択的表面修飾 / ナノワイヤ / 分子配列 / 分子マッピング |
Research Abstract |
SiO_2基板を下地としたマイクロメートルサイズのAuギャップ電極間(Au/SiO_2基板)へDNAを配線する方法の検討を行った。特定の位置にDNAを伸長し固定することはDNA配線の塩基配列に基づく位置情報の起点を作る上で重要である。チオール基を吸着基、アクリジン基をDNA固定部位として有するDNA固定分子を新規に合成し、Au-Sの高い親和性を利用してAu電極上へ選択的に修飾した。DNA伸長固定法として、DNAを気水海面の表面張力で配線する方法を検討した。本研究では、修飾基板をDNA水溶液から引き揚げる方法で行ったが、Au電極の形状がDNAの伸長に大きな影響を与えることが判った。Au電極とSiO_2への接触角が垂直の場合、DNAはほとんど伸長されずAu電極上へ留まり、接触角を浅くして台形状のAu電極を作成した場合、DNAは電極間に配線されることが判った。Au電極の高さは30nmほどであるが、DNAの直径2nmを考慮に入れると、DNAの流れが電極の断面形状に影響されると考えられた。この結果は現在、間もなく論文として投稿する予定である。もう一つの伸長固定法は、光ピンセットを用いた方法である。1〜2μmのビーズをDNAの特定の末端を固定し、ビーズを光ピンセットで移動させれば、任意の位置にDNAの起点を作ることが可能である。このビーズを前述のAu電極近傍へ配置し、もう一つのAu電極へレーザーの焦点を合わせると、焦点に向かってDNAが引き寄せられ伸長することが判った。DNAが引き寄せられる機構は未解明であるが、この方法によりDNAを任意の位置に伸長固定できることが判った。さらに、この伸長固定方法では、特定の片方の末端にのみビーズを修飾し、起点としているため、DNAの塩基配列方向は伸長固定方向へと保存される。今後、この方法を用いて、発光分子をDNAの組み込み、マッピングを行う予定である。
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Research Products
(4 results)