2008 Fiscal Year Annual Research Report
基板上でのDNAマッピングを用いた発光性金属錯体配列
Project/Area Number |
19750121
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
小林 克彰 Chuo University, 理工学部, 助教 (30433874)
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Keywords | DNA / ナノワイヤ / 分子配列 / レーザー伸長法 / ナノジャンクション |
Research Abstract |
DNAの塩基配列を利用して、発光分子をDNA上に配置するためには、DNAの塩基配列の配向制御が必要不可欠である。DNAの一端を起点としてDNAを一方向に伸長すれば実現可能と考えられる。DNAの伸長方法として、分子コーミング法及びレーザー伸長法を検討した。まず、分子コーミング法については、固定する表面の修飾分子の影響を詳しく検討した。DNAの片方の末端にチオール某左導入し、金基板上にAu-S結合で末端固定した。次に、各種表面修飾分子で残りの金基板上を修飾した。疎水修飾表面上では、分子コーミング法により末端チオール基を起点としてDNAは伸長した。OH基及びCOOH基を有する表面修飾分子で金上を修飾した場合、DNAの伸長は見られなかった。しかし、COOH基で修飾した表面においては、分子コーミングを行う条件をpH8-9にすることでDNAが伸長することが判った。これは、OH基及びCOOH基(pH8未満)ではDNA主鎖のホスホジエステルが水素結合によりOH基及びCOOH基に吸着し、COO基(pH8以上)では表面の負電荷とDNA主鎖が静電反発することで表面から剥離し、DNAが伸長したものと考えられる。以上より、DNAの表面修飾による形態制御が可能と考えられる。レーザー伸長法については、金表面に赤外レーザー(Nd : YAG1064nm)の焦点を合わせたとき、焦点付近のDNAが急速に焦点に向かって引き込まれる現象を利用したものである。この現象は、レーザーによる金表面の局所加熱で気泡が生じ、その気泡周辺に発生するマランゴニ対流に起因することを明らかにした。また、DNAの末端にビーズを修飾し、ビーズを光ピンセットで操作して基板上に起点作り、レーザーによりDNAを伸長固定して、任意の位置へのDNA配線の構築に成功した。また、2本のDNA配線を交差するように配置し、任意の位置へのDNA交差ジャンクションの構築にも成功した。
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Research Products
(8 results)