2009 Fiscal Year Annual Research Report
基板上でのDNAマッピングを用いた発光性金属錯体配列
Project/Area Number |
19750121
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
小林 克彰 Konan University, 先端生命工学研究所, 講師 (30433874)
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Keywords | DNA / ナノワイヤ / 分子配列 / DNA表面固定 / DNAの長さ |
Research Abstract |
発光分子をDNA上に配置するためには、DNAの塩基配列を利用し、DNAワイヤ上での塩基配列方向の制御が必要不可欠である。長鎖DNAの一端を起点としてDNAを一方向に伸長すれば実現可能であるが、長鎖の表面固定におけるDNAの長さの効果の検討例はほとんどない。そこで、片方の末端にチオール基を導入した長さの異なるDNAを調製し、DNAの吸着挙動におけるDNAの長さの効果を検討した。DNAには500、1000、2000、3110、5000塩基対のものを用意し、金基板上にAu-S結合で末端固定した。表面固定されたDNAの周辺に11-mercaptoundecanolを用いた自己組織化単分子膜を形成して、SYBR Gold染色によるDNAの定量を可能にした。その結果、pH7.0のリン酸緩衝液中で、NaCl濃度を変えるとDNAの吸着量は増えるが、長さに対しては吸着したDNAの重量密度(ng/mm^2)は一定であることが判った。ところが、緩衝液系中にスペルミン(500μM)を加えると、長さが長くなるについて吸着量が増えていくことが判った。原子間力顕微鏡で吸着したDNAを観察したところ、NaClのみでDNAを吸着させた際には、DNAは表面で丸く凝集した構造を取っていたが、スペルミン存在下でDNAを吸着させた場合、DNAは凝集せずにほどけてお互いに絡み合ったような構造を取っていることが判った。この吸着した際のDNAの形態が、吸着した際のDNAの密度に影響を与えていることが考えられた。また、NaCl存在下で凝集したDNAをスペルミン含有の緩衝液で処理すると、凝集が解けてお互いに絡み合った構造を取ることが判った。さらに凝集が解けた構造のDNAをNaCl含有緩衝液で処理することで凝集体に戻る挙動も観察され、これらの構造変換が可逆的であることが判った。
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Research Products
(1 results)