2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19760012
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
城 貞晴 Aichi Gakuin University, 教養部, 講師 (00329856)
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Keywords | 結晶成長 / 結晶工学 / 格子欠陥 / 表面界面物性 / 半導体物性 |
Research Abstract |
本年度は, X線トポグラフ実験と走査型プローブ顕微鏡実験による有機単結晶の品質評価を継続すると共に, 成果の一部を公刊論文として公表した. 気相法で得られる単結晶は板状の形態を示すが, このような結晶をトポグラフ法で調査すると, 結晶厚み方位に層状の欠陥が入っていることが確認される. その結晶内部のコントラストについて, より詳細な検討を行った. 特に, ポリジアセチレン結晶については, X線トポグラフ法によって得られた線状コントラストのデータと摩擦力顕微鏡によって得られたデータとの比較により, 高分子重合方位に関して一致する実験結果が, 高い再現性で得られることが判った. 気相法アントラセン結晶については, 走査型原子間力顕微鏡による表面観察の結果, 1層以下(1/4層)の面すべりが生じていることが確認された. この結果を基に, アントラセンと類似する有機低分子結晶についても共通の特徴がないか調査した. そして, 欠陥導入についてのエネルギー論的理解のために界面安定性の議論をした. 特に, 自己組織化単分子膜表面の濡れ性をモデルとして, 実験・理論の両面から考察した. 二種類以上の分子層からなる薄膜表面のエネルギー的な性質は, 最も表面に近い分子層の性質だけで決まるのではなく, その最表面からの膜内方向の分子種に依存することを導いた. この結果は, 有機デバイス構築の際に重要となる有機・無機界面の制御法に関する手法開拓につながる基礎となり得ると考えている.
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Research Products
(2 results)