2008 Fiscal Year Annual Research Report
フェムト秒レーザーを用いたワイドバンドギャップ半導体改質技術の開発
Project/Area Number |
19760035
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
富田 卓朗 The University of Tokushima, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 助教 (90359547)
|
Keywords | フェムト秒レーザー / ワイドバンドギャップ半導体 / シリコンカーバイド / 改質技術 / 電気伝導度 / 接触抵抗 / 電極 / レーザー照射 |
Research Abstract |
本年度は昨年度行ったシリコンカーバイド上へのチタンとニッケルの真空蒸着によって作製した電極を用いたフェムト秒レーザー改質部の評価を引き続き行った。昨年度はn-type基板へのオーム性電極の作製に成功したが、フェムト秒レーザー照射による電気伝導度の有意義な変化を見出すことが出来なかったので、本年度においてより定量的な解析を行ったところ、n-type基板への真空蒸着法のみでの電極作製ではフェムト秒レーザー照射による電気伝導率の変化を十分に捉えられない可能性が明らかになった。そこで、半絶縁性基板に電極を作製することを計画し、日本原子力機構・高崎研究所の大島武主任研究員らのグループの協力を得て、シリコンカーバイドの半絶縁性基板にイオン注入を行い、その上に電極作製を行い、良好な電極を得ることが出来た。この電極を作製した半絶縁性基板に顕微光学系を用いてフェムト秒レーザー照射を行い、電気伝導率の変化を評価したところ、電気伝導率の有意な向上を見出した。しかし、現時点までで検討した範囲では電気伝導率の向上は10倍程度と応用展開には向上率が小さすぎるので今後さらに最適な照射条件の検討を行っていく予定である。さらに、電極作製と並行し、赤外反射分光法を用いたフェムト秒レーザー改質部の評価を行った。n-type基板では自由電子キャリアによる低波数領域での反射率の立ち上がりを確認できたが、フェムト秒レーザー照射によるその変化は観測できず、半絶縁性基板では自由電子キャリアによる反射そのものを観測できなかった。しかし、その過程において、フェムト秒レーザー改質がreststrahlenバンドの制御に有効であり、この効果を用いてシリコンカーバイドの赤外反射特性の制御が可能であることを明らかにした。
|
Research Products
(13 results)