2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19760044
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小河 勉 The University of Tokyo, 地震研究所, 助教 (00345175)
|
Keywords | 地球電磁気 / 計測工学 / 超精密計測 |
Research Abstract |
一軸方向の磁場の強さに応答するMIセンサーを地磁気の精密測定に用いるために、センサーの感度やノイズの特性をテストした。センサーの構造上の特徴として、電圧出力の増幅率を上げると負帰還の強度が下がるトレードオフがあるため、地磁気観測のための0.01nTを目標とする高分解能を達成させるためにセンサーの磁場変化への応答の増幅率を上げて負帰還を弱めたセンサーを用い、負帰還の強度を弱めたことによる影響の温度ドリフト等としての現れ方にテストの際には着目した。東京大学地震研究所八ヶ岳地球電磁気観測所にてセンサーを設置して出力を取り、観測所において得られる地磁気データとの比較を行った。MIセンサーからの出力データは地磁気データ以外に並行して測定された気温のデータと対照したが、比較測定の結果は、MIセンサーの温度依存性が顕著で、気温1度の変化に対して磁場強度換算で約2000nTに相当することが分かった。また周期数秒程度の短周期ノイズが顕著なことも分かった。一方、数十nT程度の振幅の地磁気日変化をMIセンサーを用いて検出するにはいたらなかった。以上から、分解能が1nTよりも更に高分解能の磁力計を開発する上で、1)センサーの温度依存性を低減するために負帰還の強度を上げ、これにより低減するセンサー出力の増幅率を増幅回路の追回によって向上する必要があること、2)周期数秒程度の短周期ノイズの除去のためにアクティブフィルターを新たに追加する必要があること、が明らかになった。1)はセンサー製造業者に仕様を提示し、当初の増幅及び負帰還の回路に改良を施した。
|