2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19760045
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山内 邦仁 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 研究員 (40436720)
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Keywords | 放射線,X線,粒子線 / プラズマ・核融合 |
Research Abstract |
近年需要が大きく拡大している大口径かつ高品位の半導体製造においては,中性子核変換ドーピング(NTD)法が不可欠となっている。これは,シリコン単結晶に中性子線を照射し,自然存在比3.1%の^<30>Siを^<31>Pに核変換することで均一にリンを添加する方法である。しかし,現状では中性子線の照射を海外の高コストの原子炉に大きく依存しているため,NTD法を使った半導体の生産量はかなり制限されているのが実状である。本研究では,NTD法への応用を目的として2重同軸円筒型の放電型ビーム核融合装置を新たに提案し,初年度は装置の設計・製作および直流動作特性の基礎測定を行った。従来の放電型ビーム核融合中性子源は球形もしくは円筒形の装置構造であるため,点状線源あるいは線状線源に相当し,装置からの距離の2乗から1乗に反比例して中性子束が減少する。一方,本研究で提案する2重同軸円筒形の装置構造では,円筒状に中性子を発生させることによって円筒内部の領域で一様性の高い中性子束を得ることができる。 初めに,商業的に製造されているシリコンインゴットの大きさや放電の安定性などの見地から各電極の径とアスペクト比を決定した。さらに,真空容器の外側には冷却と中性子反射材を兼ねた水ジャケットを,同様に内側には冷却と中性子減速材を兼ねた水ジャケットを設置するため,その厚さをPHITS(粒子・重イオン輸送コードシステム)を用いてシミュレーションにより決定した。電界緩和などを十分に配慮しながら細部検討と詳細設計を進めた結果,最終的に装置の大きさはφ732 mm(フランジ部φ850 mm)×790mmとなった。製作した装置で直流動作を行ったところ,直流放電特性や中性子生成率は従来型とほぼ同等であるという結果が得られた。中性子束の一様性などの詳細な測定については次年度に計画されている。
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Research Products
(1 results)