2009 Fiscal Year Annual Research Report
インプランタブル圧電薄膜アクチュエータ創製のためのトリプルスケール解析法の開発
Project/Area Number |
19760080
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
上辻 靖智 Osaka Institute of Technology, 工学部, 准教授 (00340604)
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Keywords | 第一原理計算 / 均質化法 / マルチスケール有限要素法 / 密度汎関数法 / 圧電材料 / 生体適合材料 / スパッタ薄膜 / エピタキシャル成長 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は下記の3項目に大別される. 1. 結晶成長性を考慮した最適基板結晶の探索 前年度の研究成果を継続して,優れた圧電特性を有する新規化合物に対して,結晶成長性が最も良好な基板(下地)結晶を探索した.すなわち,Si/バッファ層/下部電極層上での創製を想定し,結晶成長性と圧電性を考慮して生体適合元素の範疇で下地結晶を探索した. 2. トリプルスケール解析による圧電薄膜の材料特性評価およびアクチュエータ性能評価 開発したトリプルスケール解析法により,微視構造には第一原理計算より得た結晶物性および結晶方位分布を導入して多結晶圧電薄膜を評価し,巨視構造にはSi/バッファ層/下部電極層上/圧電層から成る積層構造をモデル化しインプランタブル圧電薄膜モノモルフ型アクチュエータの性能を評価した.これにより,多結晶圧電薄膜の微視特性からアクチュエータの巨視性能までを考慮したナノ結晶構造設計を実現した. 3. 圧電薄膜の材料特性評価実験法の検討 トリプルスケール解析を応用して,圧電薄膜を正確に評価するための材料特性評価法を検討した.すなわち,薄膜の圧電応答は,電界印可時の上部電極中心部の膜厚方向変位によって圧電ひずみ定数d_33として評価されるが,d_31効果による面内伸縮変形の基板拘束によりたわみが発生するため膜厚方向変位は試験片寸法(膜厚,電極サイズ)依存性が大きく見かけの圧電特性しか評価できない。そこで,静的電界印加時の圧電応答解析に基づいて,圧電およびボアソン効果を考慮して2点同時変位測定により得られる板厚変化を定式化した上で,圧電ひずみ定数の評価法を提案した.
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Research Products
(9 results)