2007 Fiscal Year Annual Research Report
タイヤ騒音など流体・構造連成現象に起因する騒音を低減するための数値的研究
Project/Area Number |
19760110
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
畠山 望 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 准教授 (50312666)
|
Keywords | 流体 / 流体工学 / シミュレーション工学 / 応用数学 / 公害防止・対策 |
Research Abstract |
流体と弾性構造体の連成現象により発生する流体音の数値解析手法を開発し,タイヤ騒音に代表される騒音の低減につながる技術開発に貢献することを目的として,今年度は弾性体の接触を数値的にシミュレートする有限要素法(FEM)プログラムのコーディングを行ってきた.球や六面体などの構造を有限要素に分割するモデラーと,応力やひずみの解析結果を視覚化するビジュアライザの開発も同時に進め,プリ・メイン・ポストの各プロセス毎に基本的機能を実装したプログラム群を完成することができた.量子分子動力学(QMD)計算により原子・分子レベルで摩擦の解析を実行できる環境が整ってきたため,ミクロレベルの界面物性情報をボトムアップしたマルチスケール・マルチレベルのシミュレータ開発に向けて,市販の汎用FEMソフトにはない,接触界面物性を各節点や要素毎に設定し解析できるような柔軟なFEMソルバーを開発してきた.量子論的手法が加わることにより,非経験的にミクロレベルの摩擦音を解明する基盤ができたといえる.以前より進めている,ベクトルスーパーコンピュータ(SC)を用いた音の直接数値シミュレーションについては,最も基本的な渦構造である渦輪の運動により発生する流体音について,三次元大規模計算を行うことが可能となった.QMDはSCへの最適化に成功しているため,来年度FEMもSC上で性能が出るよう開発を進めることによって,マルチレベル計算の各要素をSC上で揃えることができる.
|
Research Products
(2 results)