2008 Fiscal Year Annual Research Report
タイヤ騒音など流体・構造連成現象に起因する騒音を低減するための数値的研究
Project/Area Number |
19760110
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
畠山 望 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 准教授 (50312666)
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Keywords | 流体 / 流体工学 / シミュレーション工学 / 応用数学 / 公害防止・対策 |
Research Abstract |
流体と弾性構造体の連成現象により発生する流体音の数値解析手法を開発し, タイヤ騒音に代表される騒音の低減につながる技術開発に貢献することを目的として, 弾性体の接触を数値的にシミュレートする有限要素法(FEM)プログラムのコーディング, および接触状態のマクロ物性を原子レベルから非経験的に求めてマクロレベルのFEMへと繋げるシミュレーション技術の開発を行ってきた. FEMプログラムに関しては, 有限要素モデラーと応力・ひずみ解析結果のビジュアライザを含め, 昨年度に基本的な機能の実装が完了したプログラム群を発展させ, 大規模モデルの解析への対応と, 節点および要素単位に細かく摩擦力・凝着力が設定できるように改良を進め, 市販の汎用FEMソフトと比較してマルチスケール化にも対応できる非常に柔軟な界面対応型FEMシミュレータとすることができた. また, 量子分子動力学計算手法を高速化する手法の開発も進み, これをベクトルスーパーコンピュータに最適化することに成功した. 理想的なモデルではなく, より本物に近い, 複雑な界面構造に対する量子化学計算が可能となり, ミクロレベルの界面物性情報を非経験的に定量的精度で予測できるようになった. こうして求まるミクロ物性をFEMへとボトムアップすることによって, マルチスケール・マルチレベルのシミュレータが完成した. 量子論的な手法を加えることにより, 非経験的にミクロレベルの摩擦音を解明する数値解析的な基盤が整ったといえる.
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Research Products
(3 results)