2007 Fiscal Year Annual Research Report
液晶流動を駆動源とする超薄型マイクロメカトロニクス素子の開発
Project/Area Number |
19760125
|
Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
三枝 嘉孝 Kochi University of Technology, 総合研究所, 助教 (10367831)
|
Keywords | 液晶 / 非ニュートン流体 / マニピュレーション / アクチュエータ / マイクロ・ナノデバイス |
Research Abstract |
液晶は、棒状分子で構成された異方性流体であり、電場方向に分子長軸を向ける性質を持つ。したがって電場印加により配向変化に伴う流動が発生する。発生した流動は、液晶中に混入された微小物体に駆動力を与える。本手法の特色は、電場を用いて構成流体分子を直接操作する点にある。そのため、マイクロ、ナノ精度の微小物体制御が期待される。現在までに、申請者は、ねじれネマティック液晶セルを使った微小物体の2次元操作法の開発に成功している。そこで、平成19年度は開発した微小物体のマイクロマニピュレーション技術を液晶モータおよび液晶アクチュエータに応用するために以下の4項目の研究を行った。 (1)液晶材料の検討:これまでの成果から、微小物体操作には液晶性物質の粘性が強く影響することが推測されている。そこで、粒子運動のゆらぎを少なくするために、より適切な粘性をもつ液晶物質を検討した。(2)配向処理法の検討:粒子運動の空間分布をなくすためには、チップ内で液晶配向にムラがないことが重要である。液晶配向は基板処理により決まるので、様々な、配向処理法を検討した。(3)液晶チップの設計および試作:基板素材の選択など、移動量の多く取れる構造を検討した。また、微小物体の材質、質量の影響も調査した。(4)性能評価:配向状態の観察は、偏光顕微鏡に長作動距離対物レンズおよびホットステージを組み合わせて行う。画像解析による変位測定を行い、チップ温度に対する変位量および応答速度を評価した。
|
Research Products
(1 results)