2009 Fiscal Year Annual Research Report
柔軟マルチボディダイナミクスによるタイヤ/路面接触力学に関する研究
Project/Area Number |
19760149
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
杉山 博之 Tokyo University of Science, 工学部・機械工学科, 講師 (80436576)
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Keywords | マルチボディダイナミクス / タイヤ / 接触 / 非線形有限要素法 |
Research Abstract |
本年度は,平成19および20年度に開発を行ったタイヤ試験装置を用いて,本研究で開発したタイヤモデルの妥当性検証を行った.本モデルではAbsolute nodal coordinate formulation (ANCF)に基づく大変形曲がり梁要素を使用しており,転動時の弾性ベルトのせん断および断面変形を厳密に考慮可能である一方,本研究で対象とする短波長の路面凹凸に対して,これらの変形に起因した高次振動成分が励起され,多くの計算時間を要しモデルの改良が必要であることが判明した.そこで,断面保持を仮定した新たな非線形曲がり梁要素をANCFに基づいて開発し(Gradient deficient曲がり梁要素),本要素に基づく非線形弾性リングタイヤモデルを構築した.タイヤの実験モード解析を実施し,モデルのパラメータ同定を行った.その結果,接地および非接地の固有振動特性に実験結果と計算結果に良い一致が見られることを示した.また,種々の速度に対する突起乗り越し時のタイヤカおよびタイヤの加速度においてシミュレーション結果と実験結果に良い一致が見られることを示した.以上により,本研究課題にて開発したタイヤモデルが転動時のタイヤの基本的な動的特性を正しくモデル化できていることを示した.また,試験機のドラム上に種々の波長および振幅を有する石敷の短波長路面凹凸を模擬し,路面凹凸がタイヤの振動励起に及ぼす影響について検討を行った.タイヤの粘弾性特性に起因したひずみ振幅および周波数依存性により,タイヤの卓越周波数が路面凹凸によって変化していくことを示した.
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