2009 Fiscal Year Annual Research Report
代数幾何符号および高次元巡回符号のグレブナ基底を用いた符号化・復号化モデル
Project/Area Number |
19760269
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
松井 一 Toyota Technological Institute, 大学院・工学研究科, 准教授 (80329854)
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Keywords | 誤り訂正符号 / 離散フーリエ変換 / リード・ソロモン符号 / エルミート曲線符号 / 代数幾何符号 / 代数曲線符号 / グレブナー基底 / 有限体 |
Research Abstract |
1. 有理点を多数持つ空間曲線および高性能な空間曲線符号の探索 これまであまり現実的な符号の観点からは調べられていなかった空間曲線符号、および高次元巡回符号について高能率符号を探索した。その結果、一般化準巡回符号と呼ばれる符号のクラスにおいて、高性能な符号が多数含まれることがわかった。また一般化準巡回符号のグレブナー基底を計算するアルゴリズムを導き、探索手法を確立した。さらにその応用として高速かつ回路規模の小さい符号化システムを構成した。 2. 空間曲線符号に対する符号化・復号化モデルの作成 グレブナー基底での除法による従来の符号化法とは異なる、離散フーリエ変換を用いた新しい符号化法を確立した。これは本質的に符号語の冗長位置を消失訂正することに相当し、冗長位置がgenericと呼ばれる大多数の場合について組織的符号化が可能である。これによって、空間曲線符号に対しも、やはり符号化と復号化において共通のグレブナー基底・DFTエンジンを用いて回路規模を削減できるようになった。 3. 符号化・復号化統合システムのリード・ソロモン符号への応用 現在主流になりつつあるGF(4096)上のリード・ソロモン(RS)符号に対し、提案の符号化・復号化統合システムを応用し、回路規模を削減した。その際、離散フーリエ変換の長さが4095となり、計算には通常のFFTを用いることはできないため、fast prime factor DFT (Good-Thomas FFT)を用いた。またこのとき離散フーリエ変換を分割し二度計算しなければならないために遅延が生ずるが、この遅延を解消する目的で離散フーリエ変換計算器を二つ持つシステムを評価した。その結果、近い将来必要になると考えられるRS符号システムの回路規模を従来のものと比べ40%削減できるという見積もりが得られた。
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Research Products
(5 results)